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2025.06.26

今治に来春開館!地域と多世代をつなぐ新たなマチの拠点「しまなみ木のおもちゃ美術館」ってどんなところ?

今治に来春開館!地域と多世代をつなぐ新たなマチの拠点「しまなみ木のおもちゃ美術館」ってどんなところ?

2026年春、今治市に新たな地域の交流拠点「しまなみ木のおもちゃ美術館」が誕生します。

「東京おもちゃ美術館」を運営する認定NPO法人芸術と遊び創造協会による総合監修のもと、地域とともに暮らしの未来を提案する「イオンモール今治新都市」と、サッカークラブの枠を超え、教育事業にも情熱を注ぐ「FC今治」がタッグを組んでオープンするこの美術館。どうやら、ただ見て遊ぶだけの美術館ではないようで…?

今回は、開業に向けて準備が進む「しまなみ木のおもちゃ美術館」について、イオンモール中四国事業部営業サポートグループの三田哲也さんとFC今治の根岸広太朗さんに、語っていただきました。


三田 哲也さん(イオンモール)

2024年11月より今治エリアの窓口としてイオンモール今治新都市に駐在中。
おもちゃ美術館の設立に向けて、運営準備から設立工事まで、主担当としてハード・ソフト両面で業務に携わっている。スタジアムやイオンモールが位置する里山エリアが、多世代が集い交流できる賑わいの拠点となることを目指し取り組んでいる。



根岸 広太朗さん(FC今治)

FC今治コミュニティ室・経営企画室兼務。2024年10月より運営団体の主担当としておもちゃ美術館の設立に携わり、現在は開館準備業務のほか開館に向けた広報活動やおもちゃ学芸員の募集等を行う。
スタジアムを拠点とし、多様な人たちが安心して集まれるコミュニティづくりを目指して取り組んでいる。


地域コミュニティの「中核」へ、多世代がつながるおもちゃ美術館

三田さん:イオンモール今治新都市は、開業当初から、地域に深く根ざしたショッピングモールとして、今治市をはじめ多くのお客さまにご来店いただいています。また昨年には、今治市と「子育て支援に関する連携協定」を締結しました。背景には、ファミリーの方々にもっと寄り添い、たくさんのお客さまにご来店いただきたいという思いがありました。

そんな中、私たちが注目したのが「おもちゃ美術館」でした。おもちゃ美術館は、地域の自然や文化に触れながら、遊びを通じて人とのつながりを育む体験型ミュージアムです。2025年6月現在で全国に13カ所を展開し、多くのファンを魅了しているこの美術館が特に大切にしているのは、「多世代交流」というコンセプト。子どもたちや親だけでなく、「おもちゃ学芸員」として積極的に地域住民が関わりながら、あらゆる世代の人々が木のおもちゃを通じて交流し、ふれあい、にぎわう場を提供しています。

「ショッピングモールとして、いろんな世代の人たちが行き交い、興味や関心ごとをきっかけに集い、交流できる、そんなコミュニティの拠点でありたい」

そう思っていた私たちにとって、おもちゃ美術館の運営モデルは、まさに地域に提供したいと価値そのものだと感じました。ただ、私たちの施設内で、このすばらしいコンセプトを最大限に活かすためには、運営を担ってくれるパートナーが必要不可欠でした。そこで候補に挙がったのが、FC今治でした。

FC今治はサッカーを軸に、ファンやサポーター、さまざまな関係者の皆さんと一緒になって一つのコミュニティを築き上げてこられた豊富なノウハウをお持ちです。その蓄積されたご経験が、おもちゃ美術館の価値を最大限に引き出してくれるという期待は、大きかったです。

根岸さん:イオンモール今治新都市とはこれまでも、同じ里山エリアで活動するパートナーとして、地域の「賑わいづくり」を一緒に進めてきました。

そんな中でおもちゃ美術館のご相談をいただき、私たちFC今治も「多世代交流」というコンセプトには大きな魅力を感じましたね。私たちが目指す「365日の賑わい」の先には、単なる人の集まりではなく、顔の見える関係性や人と人が支えあい、助け合うコミュニティを創りたいという想いがあります。おもちゃ美術館、そしてイオンモールさんとの連携によって、サッカーとはまた異なる視点から、地域の人と人との新たなつながりが生まれるのは素晴らしいことだと思いました。

また何よりFC今治では、岡田武史の長年の環境問題への危機感をベースに、教育事業にも力を入れています。おもちゃ美術館の「木育」というコンセプト、そしてその実現のために県産材をふんだんに使うことで、子どもたちや関わる大人にとっても自然の素晴らしさに気づいてもらうきっかけになりますし、地域の自然環境を守る取り組みにもなります。こうした点が、私たちの思いとマッチすると感じたことも、「おもちゃ美術館」の運営を決断する大きな後押しになりました。

しまなみらしさを詰め込んだ、他にはない「おもちゃ美術館」

根岸さん:「しまなみ木のおもちゃ美術館」の設計には、今治市主催の市民ワークショップ「木育タウンミーティング」で募った、市民の皆さんからのたくさんのアイデアがふんだんに盛り込まれています。

しまなみ海道の島々や今治ならではの海の文化を再現した「しまなみの橋」では、木のボールプールで表現した「海」の風景を眺めながら、大島、伯方島、大三島へと、三輪車でサイクリング遊びができます。今治らしく、造船や進水式ごっこも楽しめます。

全国のおもちゃ美術館で大人気の「収穫遊び」は、しまなみ木のおもちゃ美術館では段々のかんきつ畑を再現します。収穫したみかんを選果機にかけて大きさを選別する体験までできる、こだわりの演出です。

菊間瓦の屋根がかかる「ごっこ遊び横丁」には、おままごと遊びが楽しめるお店屋さんが並ぶエリアが登場予定です。風景だけでなく、今治ならではのグルメもアピールします。

さらに、FC今治をテーマに、サッカーにまつわるおもちゃや遊びが楽しめるスタジアムエリアも表現される予定です。実は、全国に数あるおもちゃ美術館のなかでも、サッカーに特化したエリアがあるのはここだけ。壁にはユニフォームも飾り、スタジアム気分を盛り上げます。遊びを通して、サッカーやクラブにも興味を持ってもらえたら嬉しいですね。

三田さん:「しまなみ木のおもちゃ美術館」は、今治にとって重要な観光資源としての側面も持っています。市外や県外から訪れる方々には、ここをきっかけに今治の魅力を発見いただけたらと願っています。他のどこにもない「今治らしいおもちゃ美術館」として、その独自性をアピールしていきたいですね。

また市内在住の方々が、気軽に何度でも遊びに来てくださり、「あそこでこんな思い出があったよね」と微笑み合えるような、そんな温かな場所となれるよう期待しています。

根岸さん: 木に触れる体験は、子どもたちが五感を使い、豊かな心を育む上で非常に大切。木の独特の香り、温かい手触り、様々な形など、五感を刺激する多様な経験ができる場所は、子どもたちの健やかな成長にとって大きな意味を持ちます。

だからこそ、私たちFC今治が展開している子ども向けの教育事業、小学生向けの野外教育プログラム「しまなみ野外学校」や、幼児向けの自然体験を提供する「しまなみアースランド」での「moricco」とも連携を深めながら、子どもたちの学びと体験の場をさらに広げていきたいですね。

今治の豊かな自然と、おもちゃ美術館が繋がりあうことで、子どもたちの好奇心を刺激し、探求心を育む、それこそ他にはない遊びと学びの循環を生み出せると期待しています。

しまなみアースランドでのmoriccoの様子

「おもちゃ学芸員」が繋ぐ、広がる交流の輪

根岸さん:   FC今治では「Voyage」というボランティアの皆さんに支えられ、一緒に試合を創り上げています。地元の方々と共にその場やイベントを創り上げていくという点で、「おもちゃ学芸員」制度と「Voyage」は親和性があると感じていましたし、運営のノウハウもかなり活かせる部分があると思っています。

一方で、おもちゃ学芸員の応募状況を見てみると、意外な発見がありました。実は「Voyage」のメンバーで、おもちゃ学芸員の養成講座を受講した方は、そこまで多くありませんでした。それはつまり、サッカーとは異なる新しい市民の皆さまとの出会いや繋がりが生まれているということ。正直なところ、地域にこれほど「木」や「木育」に関心を持つ方がいらっしゃったことに、少しびっくりしましたね。

三田さん: そうですよね。昨年、今治市ネウボラ政策課が主催した「木育キャラバン」には、2日間で約2,000組の親子に参加いただき、反響の大きさに驚きました。各地のおもちゃ美術館を巡っている熱心なファンの方々はもちろん、木育への潜在的な関心をお持ちの方々が多くいらっしゃることを実感しました。

このたびのおもちゃ美術館の誕生が、地域の方々やおもちゃ学芸員など、さまざまな形で出会いや地域に新たな交流と活気を生み出すきっかけになれればと考えています。

根岸さん: これまでに集まってくれたおもちゃ学芸員さんたちは、20代の方から70代の方まで、非常に幅広い年齢の方がいらっしゃいます。少し女性が多いかな、という印象ですが、男女問わず参加してくれています。こうした多様な世代の方々との出会いは、サッカーを通じて繋がる人々とはまた異なる、新しい市民との接点を生み出しているなと思っています。そしてこの多様性こそが、今回の「しまなみ木のおもちゃ美術館」プロジェクトの大きな魅力の一つだと思います。

三田さん:本当にそう思います。木育やおもちゃと遊びという共通の「好き」を通じて、これまで知り合わなかった学芸員さん同士の交流が生まれることで、普段の生活がより心豊かなものになっていく。そうした光景を思い描くと、本当にオープンが楽しみでなりません。

そんな交流の中で「Voyage」の皆さんとも触れあって、これまでサッカーにあまり関心がなかった方が、おもちゃ美術館での出会いをきっかけにサッカーに興味を持ったり、逆にサッカーファンの方が「おもちゃと遊び」の魅力に気づいたり。

そのように分野の垣根を越えて人と人とがつながり、新たな発見や喜びが生まれる場へと育んでいきたいですね。

根岸さん:そうした繋がりがまた、コミュニティとしての裾野を広げ、ここ今治の地域全体で助け合い、支え合う大きな力になることを心から願っています。

「おもちゃ学芸員」として、しまなみ木のおもちゃ美術館を支えませんか?🌳

おもちゃ学芸員は、お客様にワクワクとドキドキを伝える「おもちゃ」と「遊び」の伝道師です。「しまなみ木のおもちゃ美術館」で、おもちゃの使い方や、お客様に館内の説明をするだけではなく、おもちゃの遊び方や今治の自然や文化を伝えるボランティアスタッフとして、活躍いただきます。

公式Instagramでは、しまなみ木のおもちゃ美術館の最新情報を少しずつお届けしています!
展示の準備風景や、木のおもちゃの魅力が伝わる写真もたくさん!
気になる方は、ぜひのぞいてみてください✨
フォローして、一緒に開館の日を楽しみに待っていただけたら嬉しいです。

しまなみ木のおもちゃ美術館 第1期おもちゃ学芸員養成講座の様子(Youtube)

取材 / 小林友紀(企画百貨)