みんなで作る「里山ファーム」!FC今治が土から育む地域の未来

2025年4月22日、アシックス里山スタジアムにある「里山ファーム」で、FC今治コミュニティ・コンソーシアムの皆さんと一緒に、レイズベッドを作りました。レイズベッドとは、地面より少し高く作った畑のこと。今回は、たい肥や竹など、自然の材料をたっぷり使って、ふかふかの畑を作りました。
この日、畑作業の前に、私たちFC今治コミュニティが目指す方向性について、3時間にもわたって熱い議論を交わしたコンソーシアムのメンバーたち。
「どうすればアシックス里山スタジアムが、そしてスタジアムを取り巻くコミュニティが、もっと地域の皆さんのための場所になるか?」
「未来の子どもたちのために、何を残せるか?」
それぞれの思いがぶつかり合い新しいアイデアが生まれる、そんな時間を経て、いざ畑へ。話し合いに留まらず、コミュニティを形づくる活動を実際に体験することで、心に描いた未来が、より鮮明に、そして確かなものとして感じられる具体的な一歩となりました。
この日の議論の様子はこちら▼
協働の力で形になる「みんなの畑」
当日は、あいにくの小雨模様。それでも、遍路傘をかぶったメンバーの皆さんは、ひるむことなく作業に取りかかります。実に多様な企業が参画しているFC今治コミュニティ・コンソーシアム。普段は違う仕事や業界で働く人たちばかりですが、この日はみんなで一つの目標に向かって、一生懸命、汗を流しました。
まずは、運び込まれた竹を斧で二つに割ることからスタート。慣れない作業に戸惑う人もいましたが、お互いに「こうした方がいいよ」「手伝うよ」と声をかけ合います。
割った竹は、レイズベッドの枠として丁寧に組み上げていきます。自然の素材を活かしたどこか温かみのある土留めが、だんだんと形になっていく様子に「いい感じ!」と声が上がります。


枠ができたら、いよいよ土づくりです。手押し車に腐葉土やたい肥をたくさん積んで運び込み、枠の中にどんどん入れていきます。途中、土の栄養を増やすために米ぬかも振りかけながら、作物が元気に育つための、理想的な土を作り上げていきました。
会議の場とはまた違ったリラックスした表情で、土を耕し、汗を流したメンバーたち。普段のビジネスライクな会話ではなく、農作業を通して自然と会話が弾み、立場や肩書きを超えた新たな交流が生まれていました。


仕上げは、通路部分にウッドチップを敷き詰める作業です。運び込まれた大量のウッドチップを、通路全体に均一に広げていきました。このウッドチップは、足元を快適にするだけでなく、雨が降った際のぬかるみを防ぎ、雑草が生えるのを抑える効果もあります。さらに、時間の経過とともに土に還り、栄養豊富な腐葉土へと変わるため、里山ファーム全体の土壌を豊かにしてくれる、まさに「森の恵み」。
参加者たちは、ウッドチップの心地よい香りに包まれながら、レイズベッドを完成させました。


レイズベッドがもたらす豊かな未来
今回みんなで作ったレイズベッドは、自然の恵みを活かした環境にとても優しい畑です。化学肥料に頼らず、土が本来持っている力を引き出すことで、これからたくさんのおいしい作物が育つでしょう。
この里山ファームで採れた野菜や果物は、今後、FC今治のイベントや、地域の皆さんが参加できる活動にも使われる予定です。選手やサポーター、そして地域の人々の食卓を彩り、みんなの心と体を元気にすることを楽しみにしています。


心の豊かさを大切にする「共助のコミュニティ」を目指して
私たちは里山ファーム、そしてここアシックス里山スタジアムから、「食」の大切さや、かけがえのない環境を守る意識を育んでいきたいと思っています。農作物を自分たちの手で作ることで、食の恵みに感謝し、農業への理解を深める。こうした経験こそが、私たちの目指す「心豊かな生き方」に繋がると考えています。そして、この学びはやがて「自分で食をつくり出す力」へとつながっていくはずです。
食と農は、私たちの生活に欠かせない営みです。将来的にはこの活動が、私たちが目指す、人と人とが支えあい、助けあう「共助のコミュニティ」を支える一つの柱になることを期待しています。
今回の活動を通して、FC今治が目指す、「共助のコミュニティ」は、また少し、確かな形になりました。何よりも、ここで生まれたコンソーシアムメンバー同士のこれまでよりも一歩深いつながりは、今後の議論をさらに加速させる推進力になるはず。
私たちはアシックス里山スタジアムで、これからも活動を重ねながら、顔の見えるコミュニティづくりを進めていきます。
ぜひ、あなたもアシさとに遊びに来てください。

取材 / 小林友紀(企画百貨)